志布志の駅前で僕を乗せたタクシーは、駅を背にして走り出した。
いつも列車にばかり乗っている人間が、盲腸線の終着駅を背にして、線路のない方向に進む。ともすれば、何かやってはいけないことをしているというか、いささかの心細そさと後ろめたさの両方とを感じる。このまま進んでいいのだろうかと不安にもなる。
いつも列車にばかり乗っている人間が、盲腸線の終着駅を背にして、線路のない方向に進む。ともすれば、何かやってはいけないことをしているというか、いささかの心細そさと後ろめたさの両方とを感じる。このまま進んでいいのだろうかと不安にもなる。