2022年12月4日日曜日

旅する無職 5日目 小倉~日田~豊後森~大分~延岡~宮崎

 目が覚めると7時40分であった。7時ちょうどに起きるはずが、40分の寝坊である。旅も5日目に入るとさすがに疲れがたまってきて、ついつい宿の寝床で惰眠をむさぼるようになる。
 ホテルを予約するとき、朝食付きでお願いしていたが、食堂で過ごすべき40分をベッドの上で過ごしてしまったので、何も食べずに外に出る。

2022年3月21日月曜日

旅する無職 4日目 鹿児島~都城~吉松~人吉~熊本~博多~門司港

 長い旅を計画すると、どうしても1日ぐらいは旅程の出来栄えの悪い日が出てくる。何度検討しても乗り継ぎが悪かったり、おもしろい経路や列車が見いだせない、中だるみのような日である。
 この旅では、今日が出来栄えの悪い日だと思う。
 今日は2016年4月8日。手元に書き留めてきた旅程の「4月8日」のところを見ると、その半分ぐらいは昨日通ってきたルートをさかのぼることになっている。都城から吉松を走る吉都(きっと)線に17年ぶりに乗れるのが、数少ない楽しみである。

2022年3月20日日曜日

旅する無職 3日目 博多~八代~人吉~隼人~鹿児島

 明け方見た夢が「実家に置いてある古い時刻表が、いつの間にか勝手に古本屋に売り出される」という内容で、まったくもって寝た気がしない一夜であった。

2021年4月17日土曜日

旅する無職 2日目 小倉~直方~博多

 僕は今まで幾多の旅をしてきたが、人を訪ねる旅というのは、実のところ数えるほどしかない。それは、僕が人付き合いが苦手なのと、旅といいながらも列車に乗ってばかりいて、誰かに会う時間を取れないことが多いからである。
 多くの場合、僕は思い立っていきなりふらふらと旅に出るものだから、迎える側としても何らの予告もなく来訪されたところで、応対のしようがないのもわかる。
 ところが僕が今いる福岡県には、せっかくなので訪ねてみたいと思う顔が何人か思い浮かぶ。先を急ぐ旅でもない。今日は列車に乗るのは控えめにして、3名の知人を訪ねることにする。

2021年1月2日土曜日

旅する無職 1日目 東京~萩~小倉

 曲線を描く窓ガラスに雨粒が流れ、街のネオンがにじんでいる。そのぼやけた視界の中を、名古屋行きのひかり539号がゆっくりと横切ってゆく。